「税金のプロになりたい」と税理士を志したTさん(20代・男性)。銀行を1年半で退職後、キッチンカーの製造会社で働きながら簿記論と財務諸表論に合格しました。しかし転職活動を前に、「面接で語れる実績がない」と不安を抱えていたといいます。そんなTさんがスタディングキャリアの相談会で見つけたのは、一人では気づけなかった自身のアピールポイントでした。当たり前だと思っていた経験を武器に、未経験から税理士法人への転職を実現しました。
| Tさんの変遷 【1】銀行に就職し、税理士を志す ↓ 【2】1年半で退職し、キッチンカー製造会社へ転職 ↓ 【3】キャリア相談会で自身の強みを発見 ↓ 【4】3年目で簿記論・財務諸表論に合格 ↓ 【5】伴走型支援を受け、未経験で税理士法人へ転職 |
「税金のプロ」になりたい
ーーご経歴を教えてください。
大学卒業後、2021年4月に新卒で銀行に入行しました。半年間の研修を経て営業部門に配属され、事務作業や新規開拓営業などを経験しました。
ーー税理士を目指したきっかけは。
銀行でFP3級を勉強していた時、自分が税金について無知だと痛感したんです。所得税が10種類あることも知らなかったですし、周りにも税に関して詳しい人がほとんどいませんでした。だったら、自分が税金のプロになりたいと思ったのがきっかけです。
資格まで取ろうと思ったのは「税理士」と名乗ることへの憧れも大きかったですし、当初から銀行で定年まで勤めるイメージは持っていなくて。資格を取って、将来のリスクヘッジをしておきたい気持ちもありました。
ーー税理士を目指すにあたり、簿記から勉強を始めました。
2021年9月に簿記3級を取得しましたが、翌年2月に受験した簿記2級は不合格。ただ、そのときは悔しさよりも、自分で立てた目標に向かって半年間努力を続けられたという手応えの方が大きかったんです。もともと勉強が得意ではなく、大学の簿記の授業も一夜漬けで乗り切ってきた私が、自分で決めた目標に向かって勉強を続けられた。それが大きな自信につながりました。
その経験から、「もっと努力したらどこまで成長できるのだろう」と思うようになって。簿記2級にこだわるのではなく、もう一つ上のレベルである税理士試験の会計2科目に挑戦しようと思ったんです。
ーー銀行に1年半勤めたのち、1回目の転職をされています。
銀行では職場の雰囲気が自分に合わないと感じており、勉強時間の確保にも苦労していました。そんな折、キッチンカーの製造・販売を手掛ける会社で責任者を務める友人から「勉強と両立できるから来ないか」と声をかけてもらったんです。
入ってみると、キッチンカーの整備だけでは時間が余るので、自分で仕事を見つけてはなんでも取り組んでいきました。例えば、プログラミングを独学で学んで自社や関連会社のウェブサイトをつくり、知人の会社のウェブサイトも制作。定時で帰れる環境の中で、税理士試験の勉強も続けていきました。
「強み」を見つけたキャリア相談会
ーー税理士試験の勉強にスタディングを選んだ理由を教えてください。
オンラインで受講できることと、費用の安さです。決まった時間に通学する必要がないので、自分のペースで学習を進められる点が一番の決め手でした。
1年目は講座を2〜3周して受験し、簿記論は40点、財務諸表論はあと数点で合格という結果でした。2年目は問題演習を繰り返し、出題パターンを体に染み込ませていきます。平日は夜に2時間、休日は8時間ほど机に向かい、月平均80時間ほど勉強。オンライン上で赤シート学習ができる「暗記ツール」も活用し、知識を定着させていきました。
ーー2年目の受験を終えたあと、スタディングキャリアの相談会に申し込みました。
簿記論・財務諸表論(簿財)が合格している想定で、転職も視野に入れ始めていた時期でした。スタディングで勉強していた際、講座のホーム画面に無料のキャリア相談会のバナーが表示されていたのがきっかけです。
初回の相談では、転職先の紹介というよりも、30歳までに税理士になるまでの道筋を一緒に考えてもらえました。今の自分の市場価値についても、丁寧に教えていただきましたね。
ーーどんなアドバイスをもらったのですか。
科目合格がなくても評価してくれる法人があることや、簿財合格後の進路として通信制大学院があること、「20代で科目合格していたら働き口は十分にある」と教えてもらえたことが印象に残っています。思っていた以上に自分に市場価値があると分かって安心しましたし、2科目合格したら転職しようと決心できました。
ーーそのあと、職務経歴書までつくっています。
合格発表待ちの間にも次にできることを進めておくことにしたんですが、銀行は約1年半で退職しており、融資の獲得実績といった分かりやすい成果もありません。転職先でも専門性が身についたわけではなく、「アピールできる実績がない」と悩んでいました。そんなとき担当者さんは、成果ではなく、仕事上の課題に対してどう工夫し、行動してきたかを丁寧に引き出してくれたんです。
特に2社目では、製造工程を効率化するために製造マニュアルを作成した経験を取り上げ、業務上の課題を見つけて主体的に改善できる点を評価していただいて。ITツールを活用した業務効率化に取り組んだことも、税理士業界で生かせるアピールポイントとして整理してもらえました。自分では当たり前だと思っていた経験を強みに変えてもらえたことは、とてもありがたかったですね。
資格学習中・未経験でも問題ありません。これまでの経験がどう評価されるのか、プロと一緒に整理できます。
三度目の正直で簿財合格
ーー2回目の試験の結果は。
簿記論だけ合格しました。財務諸表論は例年どおりのボーダーラインは超えていたものの、その年は合格率が8%と例年より低かったんです。結果を見たときはショックでしたが、来年に向けて1年間は転職活動はお休みし、勉強に集中することにしました。
3年目は消費税法と並行して勉強していましたが、試験2カ月前から財務諸表論に集中し、スタディングの直前対策講座も4周しました。合格したときは、やっと肩の荷が下りた気持ちでしたね。
ーーモチベーションを保つ工夫があれば教えてください。
自分の努力を見える化するのが好きなタイプなので、スプレッドシートで学習記録を付けて、過去問3年分の点数推移を管理していました。漠然と勉強するだけではなく、自分の成長を見える形で残すことは大切だと思います。
ーー焦りはなかったのでしょうか。
銀行を辞めたことへのコンプレックスや、自分の市場価値への不安も多少はあったものの、税理士を目指す道を選んだ以上、努力するのは当たり前だとも思っていて。自分で決めたことだからこそ、やるしかないという気持ちが大きかったです。
「伴走型支援」に信頼
ーー2025年8月に3回目の試験が終わった直後、担当者へ連絡したそうですね。
他社のエージェントとも面談したことはありますが、担当者さんは特に私に寄り添ってくれたと感じていました。初回の面談から具体的なアドバイスをもらえて、スタディングキャリアの伴走型支援に信頼感があったので、終わったらすぐに連絡しようと決めていました。
ーーそこから本格的な転職活動へと移りました。
転職先の大きな軸としては、大学院に通う可能性も見据えて勉強できる環境であること、未経験でも応募できることの2点でした。
ーー書類の通過は。
9社応募し、1社以外はすべて通過しました。銀行での1年半と転職先での出来事も含めて、税理士を目指して一貫して行動してきた流れを担当者さんに言語化してもらえたことが大きかったと感じています。
2科目合格していることも、やり切ってきた証として見てもらえたと感じています。
ーー面接の対策は。
Googleスプレッドシートで想定問答を作りながら進めていました。担当者さんから応募した企業ごとの過去の質問を共有してもらい、それに対して自分ならどう答えるかを書きこんでいく形です。
私はもともと覚えるのが得意ではないですし、事前に文字に書き出して不安をなくしておきたいタイプです。即興で話す自信もなかったので、あらかじめ準備しておくことが必要だと思ったんです。
面談のあとにも「どんな質問があって、どう答えたか」を思い出し、記録していきました。担当者さんにもリアルタイムで面接内容を共有し、次の面接に向けた対策に生かしていました。
不合格でも揺るがない「科目合格の自信」
ーー実際の面接はいかがでしたか。
対策したかいがあり、一次面接はほぼすべて通過。当時は愛知県に住んでいたので、東京での2次面接は2日間で5社、2週間後に3社と、短期間で計8社を受けました。ただ、最終も兼ねた面接の結果は、あまり振るわなかったんです。
勉強時間に対する考え方や実務経験への期待値など、企業ごとの違いもあったと思いますが、今となってはお互いの相性を確かめる場だったのだと割り切っています。
ーー落ち込むことはなかったですか。
意外とすんなり受け止められた自分がいました。もちろん、行きたかった会社もあって残念ではありましたが、やれることはやったという感覚の方が強かったです。
それはやはり、何百時間という学習の積み重ねが「2科目合格」という結果で証明されていたことも大きいと思います。面接対策をして、本番でも思いを伝えられたので「これでダメならしょうがない」という気持ちでいられました。
ーー最終的に2社から内定をいただきました。
働き方や年収の面も考慮しましたが、今の会社を選んだ一番の決め手は、所長の人柄や雰囲気でした。私が上司に持っていてほしい性質である「感情と事実を分けて話せる」を体現されている印象を受け、この人のもとで学びたいと思えたんです。
教育体制や研修資料が整っていることを説明していただき、未経験でも安心できる環境だと感じられたことも後押しになりました。
資格勉強の知識を実務に生かす
ーー現在の仕事について教えてください。
現在は中小企業を中心に約10社を担当し、年末調整や確定申告、会計入力、法人の決算書作成などに携わっています。教育体制も整っており、安心して業務に取り組めています。
ーー資格勉強が実務に役に立ったと感じた場面は。
簿財の知識は実務の基礎ですが、より実務に直結しているのは消費税法の知識です。例えば会計入力では、家賃収入や駐車場収入は用途によって課税・非課税の扱いが変わり、判断を誤るとお客さまの納税額にも影響します。所長に確認しながら業務は進めていますが、自分でも勉強していてよかったと実感しています。
ーー2科目合格後に転職されていますが、振り返ってそのタイミングはいかがでしたか。
個人的には、簿財を取ってから転職して良かったです。税理士の仕事はお客さまを財務面から支える分責任も大きく、資格勉強と実務を両立しながら5科目合格を目指すのはかなり大変だと思うからです。
ただ、今の職場にいる約10名のうち、税理士資格を持っているのは所長ともう一人の大先輩だけで、まずは科目合格を目指している方も少なくありません。実務経験を長く積んでいる先輩は雲の上のような存在で、実務でしか身につかない力も大きいと感じています。転職のタイミングに後悔はありませんが、もう少し早く現場を経験しておけばよかったと思うこともありますね。
「漠然とした不安がある人」こそ相談会へ
ーー目指すキャリア像は。
まずは税法科目に合格し、大学院に進んで科目免除制度を利用し、30代前半で税理士を取ることが目標です。その先については具体的には決めていません。今の事務所で経験を積むことも、転職や独立も選択肢として考えています。資格があれば道は広がるので、自分のスキルや経験に応じて進む道を選びたいですね。
相続に強い税理士になりたい気持ちもあり、今は法人・個人の両方の実務経験を積みながら、一つ一つレベルアップしています。お客さまの意向に寄り添い、最善の選択を一緒に考えていく存在になりたいですね。
ーースタディングキャリアはどんな人におすすめしますか。
「転職したいけれど何から始めればいいか分からない」「自分の強みが分からない」という人には、特におすすめしたいですね。
私は担当者さんに伴走してもらいながら、自分がどんなキャリアを歩みたいのか、考えることができました。自分では気づけなかった経験や取り組みをアピールポイントとして打ち出せたからこそ、自信を持って面接に臨むことができました。もし相談していなければ、自分の強みを十分に伝えられなかったはず。本当に相談して良かったです。
スタディングキャリアの相談では、求人紹介の前に「いつ・どう動くか」の道筋づくりから一緒に考えます。今の市場価値、科目合格の評価、大学院や実務のタイミング——資格学習中・合格前でも相談できます。「自分の強みがわからない」段階こそ、話すことで次の一歩が見えてきます。