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財務の仕事に役立つおすすめの資格8選|具体的な仕事内容を踏まえて解説

簿記

財務担当者としてキャリアアップを目指すなら、資格取得は有効なアプローチです。しかし、難易度や身につく知識はさまざまなため、目的に合った資格を選ぶことが大切です。

本記事では、財務の具体的な仕事内容や、実務・転職に役立つ資格について解説します。財務に携わっている方、これから携わりたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

財務の仕事とは?

まず、財務の仕事内容や経理・会計との違いについて見ていきましょう。

財務の仕事内容

財務の仕事は、今後の経営活動に必要な資金の調達・管理を行うのが主な役割です。

企業が事業を継続するには、事前の資金調達や予算管理が欠かせません。

社内の資産状況や経営計画を把握したうえで、どのように資金を配分し、不足分を補うかといった計画を立てるのが財務の役割です。

新規事業や設備投資のために追加の資金が必要になった場合、銀行などの金融機関から融資を受ける必要があるでしょう。

また、資金が不足して経営が行き詰まることのないよう、入念に計画を立てたうえで管理していくことが大切です。

手元に十分な資金がなければ、経営破綻のリスクが高まったり、ビジネスチャンスを逃したりする可能性があります。

財務の仕事は企業経営の根幹を支える重要なものだといえるでしょう。

経理・会計との違い

財務の仕事は、経理・会計の仕事と混同されることも少なくありません。

経理・会計の仕事では、決算書の作成を目的として企業内のお金の流れを正しく把握し、記録していきます。

経営状況の把握や社外への発表に際し、重要な役割を担います。

財務の仕事が将来に向けた資金計画を扱うのに対し、経理・会計の仕事は過去や現在の取引を把握・記録するものだといえるでしょう。

業務に必要な知識は共通する部分が多いことから、経理・会計の部署が財務の役割を担うこともあります。

財務の仕事に資格は必要?おすすめな資格とは?

ここでは、財務の仕事と資格の関係について、以下2つのポイントで解説します。

  • 財務の仕事に資格は必要?転職に役立つ?
  • おすすめは財務分析や会計の知識が身につく資格

財務の仕事に資格は必要?転職に役立つ?

財務の仕事において、資格の取得が必須ということはあまりありません。

弁護士や税理士のような「独占業務」はほとんどないからです。

ただし、財務は専門性が高い仕事であり、会計や資金調達に関する知識が求められます。

関連資格を取得しておけば、知識やスキルがあることの客観的な証明になるでしょう。

そのため、財務担当者としての転職やキャリアアップを目指す場合は資格の取得がおすすめです。

おすすめは財務分析や会計の知識が身につく資格

財務担当者としてキャリアアップを目指すなら、財務分析や会計の知識が身につく資格を取得するのがよいでしょう。

財務は今後の経営活動に必要な資金の調達や予算の管理を行う仕事です。

現在の財務状況を把握したり、将来を予測したりするには、貸借対照表や損益計算書の理解が不可欠です。

財務や会計の知識があることを資格で証明できれば、財務担当者として転職やキャリアアップの際に有利に働くでしょう。

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財務志望の方はもちろん、それ以外の職種に興味がある方もぜひチェックしてみてください。

財務の仕事におすすめの資格8選

ここでは、財務の仕事に役立つ資格として以下の8つをご紹介します。

  • 日商簿記
  • ビジネス会計検定
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • FASS検定
  • プロフェッショナルCFO資格
  • 中小企業診断士
  • 税理士
  • 公認会計士

それぞれの資格の難易度や、どのように役に立つのかを解説します。

日商簿記

簿記とは、企業活動において生じた取引の内容やお金の流れを帳簿に記録する業務を指します。

日商簿記は簿記のスキルを証明できる資格であり、試験対策を通じて財務・経理・会計の業務全般に通じる基礎知識が身につきます。

日商簿記には簿記初級や原価計算初級といった難易度もありますが、大学生や社会人であればその上の3級から勉強を始めるのが一般的です。

出題範囲や難易度、合格率、合格に必要な勉強時間の目安は級によって異なります。

関連記事:日商簿記検定(3級・2級・1級)の概要と筆記試験・ネット試験の違い

▼3級

日商簿記3級は商業簿記の基礎を理解し、小規模企業における経理処理が適切にできるレベルとされています。

財務担当者として実務に携わるのであれば、3級レベルの知識は必須といえるでしょう。

履歴書に書けるのは3級からともいわれており、最初に目指す資格としてもおすすめです。

基礎的な内容がほとんどであるため、初心者であっても十分合格が目指せます。

合格に必要な勉強時間の目安は、講座などを利用して効率的に学ぶことを前提として、50~100時間程度とされています。

関連記事:簿記3級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説

▼2級

日商簿記2級の出題範囲には、商業簿記に加えて工業簿記が含まれます。

工業簿記は自社で製造した製品を販売する場合に必要な処理であり、原価計算など新たな知識が求められます。

日商簿記2級は多くの企業が経理・財務の実務担当者に求めるレベルです。

2級以上を取得すれば、財務諸表を正確に読んだり分析したりできることの証明になるでしょう。

合格に必要な勉強時間の目安は、「3級レベルの知識を備えている」かつ「講座などを利用して効率的に学ぶ」ことを前提として、100~200時間程度とされています。

独学での合格も不可能ではありませんが、工業簿記が含まれるなど範囲が広いため、計画的に学習に取り組む必要があります。

関連記事:簿記2級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説

▼1級

日商簿記1級の試験では、出題範囲が商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4つに分かれています。

1級の試験では連結決算などの高度な知識が求められるため、大企業の実務担当者としても十分な知識が身につくといえるでしょう。

合格に必要な勉強時間の目安は、「2級レベルの知識を備えている」かつ「講座などを利用して効率的に学ぶ」ことを前提として、400~600時間程度とされています。

出題範囲が膨大であることから、独学での合格はかなり難易度が高いといえます。

関連記事:日商簿記1級の難易度や必要な勉強時間は?取得するメリットや科目別攻略法も紹介

ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、財務諸表の知識や分析力が問われる試験です。

自社の財務状況を把握するには財務諸表の理解が不可欠であるため、財務の仕事に役立つ資格といえます。

日商簿記に比べて知名度はあまり高くないものの、財務状況を正しく把握し、分析するスキルを証明するのに役立つでしょう。

ビジネス会計検定は、3級・2級・1級の3つのレベルに分かれています。

また、合格に必要な勉強時間の目安は3級が50~100時間、2級が100~200時間、1級が300~500時間程度とされています。

FP(ファイナンシャルプランナー)

FP(ファイナンシャルプランナー)は、預貯金や年金、相続、不動産などに関する知識が問われる資格です。

簿記が企業のお金の動きを管理するのに対し、FPは個人の資産運用をサポートします。

簿記と比べれば財務の仕事との関連性は高くないものの、金融や有価証券に関する知識の証明になるため、一定の評価は得られるでしょう。

FPの試験は、3級・2級・1級の3つのレベルに分かれています。

また、合格に必要な勉強時間の目安は3級が80~150時間、2級が150~300時間、1級が500~600時間程度とされています。

関連記事:FP(ファイナンシャル・プランナー)とは?

FASS検定

FASS検定は、経理や財務における客観的な実務知識・スキルの習得度を測る試験です。

結果は合否ではなくA~Eの5段階評価となるため、現在の知識レベルを確認するのにも役立ちます。

試験の出題範囲は、資産・決算・税務・資金の4分野で構成されています。

財務の経験者であれば、10~20時間程度の勉強でAを取得する方も多いようです。

未経験者であれば、さらに時間がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

プロフェッショナルCFO資格

プロフェッショナルCFO資格は、企業価値の向上に向けた財務面での提案力が問われる試験です。

出題範囲は、以下4つの分野で構成されています。

  • 財務理論に関する基礎知識
  • 経営計画と財務マネジメント
  • 企業価値評価と経営への応用
  • 財務面での課題解決手法とその応用

実務経験者であれば、10〜20時間程度の勉強で合格する方も多いようです。

未経験者であれば、さらに時間がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルティングの能力が問われる国家資格です。

出題科目には企業経営理論や財務・会計、運営管理、経営情報システムなどがあり、経営全般に関する幅広い知識が問われます。

当然財務面の知識も問われるため、取得すれば財務担当者としてのスキルの証明になります。

合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間程度とされており、難易度の高い試験だといえるでしょう。

関連記事:中小企業診断士とは?どんな仕事?試験制度は?

税理士

税理士は、税務のスペシャリストとして企業の税務書類や個人の確定申告書の作成などができる資格です。

税理士試験では11科目のうち5科目に合格する必要があり、簿記論と財務諸表論は必須科目となっています。

そのため、税理士試験に合格していれば財務の知識を客観的に証明できるといえるでしょう。

必要な勉強時間の目安は2,500~3,000時間程度となっており、科目合格制度を利用して複数年かけて合格を目指すのが一般的です。

関連記事:税理士とは?|税理士試験の概要

公認会計士

公認会計士は、企業の監査業務を行う会計の専門家です。

「会計士」という名前の通り、会計関連の専門性の高さを客観的に証明できる資格です。

財務の仕事にも多いに役立つ資格だといえるでしょう。

ただし、試験合格のためには財務会計論や管理会計論に加え、監査論、企業法、租税法など幅広い知識が求められます。

合格に必要な勉強時間の目安は3,000~5,000時間程度とされており、きわめて難易度の高い試験だといえるでしょう。

関連記事:日商簿記1級と公認会計士の違いは?学習範囲や難易度を比較解説

まとめ

本記事では、財務の具体的な仕事内容や、実務・転職に役立つ資格について解説しました。

ポイントをまとめると、以下の通りです。

  • 財務の主な仕事は資金の調達や予算の管理
  • 財務の仕事に資格は必須ではないが、取得すれば転職やキャリアアップに役立つ
  • 財務分析や会計の知識が身につく資格であれば、キャリアにおいて有利に働く可能性が高い
  • 財務に役立つ資格としては、日商簿記やビジネス会計検定、FASS検定などが挙げられる

財務職は専門性の高い仕事であるため、資格によってスキルを証明できれば転職やキャリアアップに役立つでしょう。

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