経理への転職は難しいといわれる一方、転職しやすいという意見もあります。実務経験の有無やアピールできるスキルによって状況は異なるでしょう。
本記事では、経理の転職が難しいといわれる理由や経験の有無による違い、転職時のアピールポイントを解説します。
経理への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
経理の転職は難しい?
経理への転職は難しいのかについて、ここでは実務経験者と未経験者に分けて解説します。
実務経験者が転職する難しさ
経理の業務はあらゆる企業で発生するため、そのぶん経理スキルを持った人材も多いといえます。
専門性は高いものの、一定期間の勉強によってある程度は知識を習得できるため、実務経験者であっても差別化が難しいのが実態です。
実務経験だけでなく、よりレベルの高い経理知識や業界経験など、ほかの経理担当者にないポイントをうまくアピールする必要があります。
未経験から転職する難しさ
前述の通り、経理の実務経験者は多いため、未経験から内定を勝ち取るのは簡単ではありません。
実務経験者は経理システムの取り扱いなどに慣れているケースが多いため、優先的に採用されるのは当然ともいえます。
ただし、20代など若いうちであれば、将来的なポテンシャルの評価によって採用してもらえることもあるでしょう。
実務をこなしながら簿記などの勉強をすれば、すぐに同年代の経理人材のレベルに追いつき、活躍できる可能性があるからです。
30代や40代になると、リーダーや課長・部長などのポジションで周囲のメンバーを指導・管理する役割を担うことも多いため、実務経験の重要性が高まります。
いずれにしても、未経験だからといって甘えることなく自己学習によって資格を取得するなど、経理の仕事に対する本気度を示すことが大切です。
関連記事:未経験での経理転職は難しい?採用されるためのアピール方法を解説
経理は転職しやすいという意見もある
経理の転職は難しいといわれる一方で、転職しやすいという意見もあります。
ここでは、以下4つの理由を見ていきましょう。
- どの企業にも必須の仕事である
- 業務の専門性が高い
- 知識の汎用性が高い
- 資格によって客観的なアピールができる
どの企業にも必須の仕事である
ビジネスを行なううえでは必ず取引が発生するため、あらゆる企業において経理は必要な職種です。
もちろんライバルも多いものの、転職市場での募集が多いことから転職先を見つけやすいという意見があります。
業務の専門性が高い
経理業務にはルーティンワークが多いため「誰でもできる」と思われがちですが、実際には高い専門性が求められます。
帳簿の記入や会計資料の作成など、経理の業務には簿記や会計の専門知識が欠かせません。
逆にいえば、専門知識を身につけることで差別化がしやすいともいえます。
実務経験を積むほか、より高度な資格を取得するなど専門性を磨く努力を継続することで、転職のハードルが下がるはずです。
知識の汎用性が高い
経理業務に必要な知識は業界によって大きく変わることはあまりなく、汎用性が高いといえます。
そのため、異なる業界であっても経理の実務経験さえあればスムーズに業務を開始できる可能性が高いでしょう。
例えば、営業などであれば業界の慣習などがさまざまであるため、異なる業界での挑戦が難しいケースもあります。
特殊な取引の処理が必要になる業界も一部ありますが、基本的に経理の仕事では実務経験をそのまま活かせるケースが多いといえます。
関連記事:経理は転職しやすい職種?キャリアアップを果たすコツを解説
資格によって客観的なアピールができる
経理の知識レベルは、実務経験だけでなく資格によって証明が可能です。
たとえ実務経験がまったくない、または十分でない場合でも、転職先が求める資格を持っていれば必要な知識を備えていることはアピールできます。
また、資格を取得すること自体が自己管理能力や継続力の高さを証明するものとして評価されることもあります。
簿記などの資格を取得しておけば、転職後のキャリアにおいても有利に働く機会が多いでしょう。
関連記事:経理に転職するとき持っておきたい資格は?難易度・勉強時間などを紹介
経理の転職でアピールすべきポイント
ここでは、経理の転職においてアピールすべきポイントを以下の6つご紹介します。
- 簿記などの資格
- 実務経験
- コミュニケーションスキル
- パソコンスキル
- マネジメントスキル
- 英語力
特に経理未経験の方にとっては、実務経験以外のポイントをいかにアピールするかが大切です。
順番に見ていきましょう。
簿記などの資格
経理の転職において、簿記などの資格は経理知識の客観的な証明になります。
例えば、以下のような資格が挙げられます。
- 日商簿記3級
- 日商簿記2級
- 日商簿記1級
- ビジネス会計検定
- ファイナンシャルプランナー(FP)
特に日商簿記は知名度の高い資格であり、採用条件として提示されていることもあります。
もっとも難易度の高い1級は経理のスペシャリストともいえるレベルであるため、転職では大きな武器になるでしょう。
簿記はビジネスパーソンにとっての必須スキルとしても認知されているため、将来的に経理の仕事を離れることになった場合でも役に立つはずです。
関連記事:日商簿記各級(初級・3級・2級・1級)の違いは?試験の概要や日程、合格率を紹介!
実務経験
経理の実務経験がある場合は、どのような仕事に携わってきたか、どのような実績があるかなど、経験内容を具体的に伝えることが大切です。
経理人材を中途採用する企業の多くが即戦力を求めています。
仕事内容を手取り足取り教えなくても、自身で業務内容を理解して対応できる人材は重宝されるでしょう。
経理部門での実務経験がない場合でも、売上や利益の管理、経費精算など関連する業務の経験があれば一定のアピールになります。
コミュニケーションスキル
経理の仕事は、他部署とコミュニケーションをとりながら進めることも少なくありません。
わかりやすく説明したり対応を依頼したりする際、コミュニケーション能力が高ければ業務をスムーズに進められます。
関係者と連携しながら業務を遂行する能力をアピールできれば、好印象につながるはずです。
パソコンスキル
経理の仕事ではパソコン上のシステムやツールを使用する機会が多いため、パソコンスキルもアピールポイントになりえます。
多くの企業が会計ソフトや経理システムを導入しているほか、データ集計や帳簿記入、資料作成にエクセルを使う場合も多いでしょう。
パソコンでの作業が得意であれば、転職先の業務にもすぐに慣れるはずです。
マネジメントスキル
30代や40代で転職する場合は、周囲のメンバーを引っ張るリーダーとしての役割も期待されます。
経理の知識や実務経験に加え、マネジメントスキルをアピールできれば将来的な管理職の候補として高く評価されるはずです。
リーダーとしてどのような役割を果たしたか、どのようにメンバーをマネジメントして成果につなげたのかなど、具体的に説明できるよう準備しておきましょう。
英語力
経理の仕事に英語力は必須ではありませんが、プラスの評価につながることは少なくありません。
例えば、外資系企業の日本法人の場合、親会社へ提出する資料は英語での作成が基本となるため、英語力が問われます。
また、グローバル事業を展開している日系企業では、経理関連の資料を英語から日本語、日本語から英語へと変換する必要が生じます。
英語力をアピールできれば、海外とのやりとりも任せられる人材として高評価が得られるはずです。
関連記事:経理の転職で求められるものとは|具体的な仕事内容や経験、資格について解説
まとめ
本記事では、経理の転職が難しいといわれる理由や経験の有無による違い、転職時のアピールポイントを解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 経理の仕事には経験者が多いため、差別化が難しい
- 未経験からの転職の場合は、自己学習によって資格を取得するなど努力が必要
- しかし、あらゆる企業に存在する職種であることや知識の汎用性の高さから転職しやすいともいわれる
- 資格や実務経験、コミュニケーションスキルなど強みを的確にアピールすることが大切
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