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経理の自己PRの書き方とは? 転職を成功に導くポイント

簿記

経理で転職をする際、自己PRで描きたいポイントとは? この記事では、転職活動を成功に導くポイントや注意点について解説します。

経理職の転職活動。自己PRで書きたいポイントとは?

転職活動をする際、自分を理解してもらうための自己PRは不可欠です。
転職を成功させるには、どのような自己PRを書けば良いのでしょうか。
ここでは、経理職へ転職する際の自己PRで重要な3つのポイントについて解説します。

転職後に生かせる経験を伝える

経理職の転職では、転職後に生かせる経験を伝えることが大切です。
決算書の作成や税務申告など、経理において重宝される経験を持っていることは、即戦力である証明となります。

また、新しい会計ソフトの導入や請求書のペーパーレス化、後述するIPOの準備といった、大きなプロジェクトに参加した経験がある場合は、積極的にアピールしましょう。
その際、プロジェクトの概要や担当した業務内容なども伝えると効果的です。

さらに、マネジメント業務の経験は転職後にも生かせるため、強力なアピールポイントになります。
どのように部下をとりまとめてきたのか、どのような成果を上げてきたのかについて具体的に記述できると良いでしょう。

このようなポイントを伝える際は、具体的な数字やデータを入れて説明すると伝わりやすいです。
数字やデータを自己PRにどう入れるのかについては、後ほど解説します。

職務レベルがわかる知識やスキルを伝える

経理職の転職では、職務レベルがわかる知識やスキルを伝えることも重要です。

とくに、使える経理ソフトや会計システムがあれば、記載しておくことをおすすめします。
転職先の企業で導入しているものと同じソフトの使用経験があれば、即戦力になると捉えてもらいやすいからです。
経理ではExcelの使用頻度も高いため、Excelのスキルがある場合はそれも伝えましょう。

また、これまでに取得した資格も記載するようにしてください。
経理職への転職では簿記や税理士などの資格があると有利とされています。
これらの資格を持っていれば、その分野の知識を客観的に証明できます。

人間性を伝える

経理職の転職においてその人の人間性は、採用するかどうかの重要な判断材料になります。
そのため、自己PRで経理に適した人間性をしっかりと伝え、一緒に働きたい人材だと思ってもらう必要があります。

日々お金や数字を扱う経理にとって、正確さや慎重さは大事な素質です。
チェックリストを作っているなど、ミスを減らすためにしている工夫があれば伝えると良いでしょう。

また、経理にはコミュニケーション能力も必要です。
請求書や領収書、経費の精算などに関する質問への回答、経営層への問題点の報告や改善の提案、会計事務所や金融機関など外部との連携といった経験は、コミュニケーション能力のアピールになります。
他にも、経理に関する資格取得の経験は、仕事に前向きに取り組む姿勢をアピールできます。

経理として働く際に必要な人間性が備わっていることを、エピソードを交えながら伝えましょう。

経理の自己PRを書くための4ステップ

ここからは、自己PRを書くためのステップを以下の4つに分けて、ひとつずつ解説していきます。

  1. 経験を棚卸しする
  2. 強みを明確にする
  3. 数値やデータ、根拠を示す
  4. 人間性のPRポイントの整理

順番に見ていきましょう。

1. 経験を棚卸しする

まずは自分自身の経験を棚卸ししていきます。
入出金管理や財務諸表・決算書の作成などの業務経験や、経験年数、役職などを時系列で整理していきましょう。

経理以外の部署での業務経験もアピールポイントになることがあります。
マーケティング経験や接客経験なども書き方次第では強みになるので、書き出しておくと良いでしょう。

このような経験の棚卸しは、自己PRを作成する際の重要な準備です。
経験を整理し、自分自身で把握することで、面接の際にもアピールしやすくなります。

関連記事:経理の転職で求められるものとは|具体的な仕事内容や経験、資格について解説

2. 強みを明確にする

経験を棚卸ししたら、その中から自分の強みを探し、明確にしていきましょう。

経理は専門性の高い仕事ですが、日次業務・月次業務・年次業務などの業務内容はある程度決まっており、どの業界でも共通している部分があります。
そのため、応募者それぞれの経験が似通ってしまう可能性も高いです。
他の応募者との差別化が難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。

差別化を図るためには、自分の強みを明確にし、積極的に伝えることが重要です。
プロジェクトやマネジメントで成果を上げたといった経験はもちろん、正確な伝票処理や会計ソフトの使用スキルなど、日常の業務で自信がある点を強みとして際立たせるのも良いでしょう。

数値やデータを使って根拠を示す

自己PRで数値やデータを用いて根拠を示すと、経験やスキルが相手により伝わりやすくなります。

たとえば、「毎月〇〇件の伝票処理をしてきた」「業務効率化により工数を〇割削減することに成功した」といった具体的な数値やデータを盛り込むことで、経理としての経験をよりわかりやすい形で示すことができます。

また、仕事のスピードやミスの少なさなども数値で表せると、他の応募者との差別化を図ることにもつながるでしょう。
具体的には「平均作業時間4時間の業務を、平均3時間で完了できていた」「伝票処理のエラー率を5%から1%以下に削減することに貢献した」といったイメージです。

数値化して根拠を示すことによって、より客観的で信憑性の高いアピールが可能になります。

人間性におけるアピールポイントを整理する

経理職の転職において、経験やスキルだけでなく、人間性が重要であることは前述のとおりです。
自己PRを書く際には、人間性をアピールできるポイントを整理しておきましょう。

今までの経験から、どのような行動が成功につながったのか、逆にどうすれば良かったのかなどを掘り下げて考えてみましょう。
同僚や上司から受けたフィードバックも参考になります。
自分が考える人間性と、他人から見た人間性は異なることもあるので、あらゆる面から自分の人間性について整理してみるのがおすすめです。

経理として必要な正確さやコミュニケーション能力、仕事に対する前向きな姿勢などが伝わるような、具体的なエピソードを選び出してみてください。

経理の自己PR。書くときの注意点とは

経理の自己PRを書くときには、以下のような注意点があります。

  • 学歴や職歴は省略しない
  • できるだけ具体的に
  • 業務に関連する資格や免許に絞る
  • 面接本番も意識して構成する

くわしく解説します。

学歴や職歴は省略しない

原則、学歴や職歴は省略せずに記載するようにしてください。

学歴・職歴欄で、いつ、どこで、どのようなことを学び、どのような会社に携わってきたかを明確にすることは、自分の経験やキャリアを伝えるために大切です。

年月日は西暦か和暦に統一して記載します。
また、学歴や職歴には「高校」ではなく「高等学校」、(株)ではなく「株式会社」といった正式名称を使用しましょう。

職歴が多い場合は、正社員や契約社員、派遣社員として働いた会社はすべて記載し、バイト経験は経理に役立ちそうなものだけを記載しても問題ありません。
会社名だけでは事業内容がわかりにくいという場合は、括弧書きで事業内容を補足すると良いでしょう。

できるだけ具体的に

自己PRは、エピソードや根拠を交えて、できるだけ具体的に書くことを意識しましょう。
とくに強みや人間性などは抽象的になりやすいです。
抽象的な情報は相手に伝わりにくいため、具体的に書くことが重要なのです。

たとえば、「私の強みは積極的なところです」だけではイメージがわきにくいので、どのような場面でどのように積極的に行動してきたのかを明らかにできると良いでしょう。

載せるのは、業務に関連する資格や免許に絞る

資格や免許について書く際には、経理の業務に関連するものに絞って書きましょう。
経理の業務に役に立つ資格には、以下のようなものがあります。

  • 日商簿記検定
  • ファイナンシャルプランナー
  • 税理士
  • 公認会計士
  • USCPA(米国公認会計士)
  • TOEIC
  • パソコン関係の資格

取得年月日とあわせて記載しましょう。

なお、経理の業務に無関係な資格や免許を記載していると、経理の業務を理解できていないと判断されることがあります。
経理に無関係な資格は記載しないほうが好印象かもしれません。

関連記事:経理に転職するとき持っておきたい資格は?難易度・勉強時間などを紹介

面接本番を意識して構成する

自己PRを作成する際は、面接本番も意識して構成するようにしましょう。

面接で自己PRの内容をすべて話すには時間がたりません。
とくにアピールしたいところを意識し、逆算して自己PRに落とし込んでいきます。
面接を想定し、面接官が聞きたいと思うような内容を簡潔に書くことをおすすめします。

また、面接で提出する書類と同じ内容を要点を絞って話せるよう、自己PRを準備しておくことも大切です。
面接での回答が書類と異なっていると、一貫性がないと捉えられ、面接官に不信感を抱かれる可能性があるからです。

経理職の転職。あるとより良い経験とは?

企業にとって採用するメリットがあり、即戦力になると認識してもらうためにも、転職に有利になりそうな経験がある場合はしっかりアピールすることが大切です。
ここからは、経理の転職においてあるとより良い経験を紹介していきます。

IPO準備の経験

IPO準備の経験は貴重なので、目を引くアピールポイントになり得ます。

IPOとは、証券取引所が運営する株式市場に会社が上場し、自社の株式を不特定多数の人に向けて売り出すことをいいます。
経理が行うIPO準備とは、おもに上場する際に必要な審査を通過するための書類を準備することです。

将来上場を目指している中小企業やベンチャー企業にとって、IPO準備の経験がある人材は重宝されます。
即戦力が求められる中途採用において、IPO準備の経験があれば、転職先の選択肢も広がるでしょう。

マネジメント業務や管理職の経験

マネジメント業務や管理職の経験も企業が求める経験のひとつです。

部長や課長、主任などの役職経験がある場合は、即戦力として効果的なアピールになります。
管理職としてのマネジメント経験だけでなく、経営層や関連部署との連携の方法についても具体的に伝えることで、より伝わりやすくなることが期待できます。

チームリーダーの経験がある場合、マネジメントしたメンバー数や業務内容、工夫した点とその成果を具体的に伝えられると良い印象を与えられるでしょう。

海外会計基準の知識

海外会計基準の知識は、他の応募者との差別化になります。
IFRS(国際財務報告基準)やUS-GAAP(米国会計基準)など、海外会計基準の知識があれば、海外拠点を持つ企業や国際市場を対象とする企業への転職で高く評価されることが多いです。

経理としてグローバルな業務に携わりたい場合は、海外会計基準の知識を身につけるため、IFRS検定やUSCPA(米国公認会計士)を受験してみるのもおすすめです。

制度設計・構築の経験

業務の効率化や生産性向上のための制度設計・構築の経験があれば、積極的にアピールしましょう。

経理は、営業部門のように直接的に売上に貢献するような部署ではありません。
しかし、経理業務を効率化し生産性を高めることは、結果的に企業の利益につながります。
業務の問題点を探して改善したり、新システムの導入などにより業務を効率化したりした経験がある場合、転職活動においても高い評価が期待できます。

まとめ

  • 自己PRでは「転職後に生かせる経験」「職務レベルがわかる知識やスキル」「人間性」を具体的に伝えることが大切
  • 自己PRを書くための4ステップは、「経験の棚卸し」「強みの明確化」「数値やデータ、根拠を示す」「人間性のPRポイントの整理」
  • 自己PRを書くときは、学歴・職歴を正式名称で書くことや、エピソードを交えて具体的に書くことなどが大切
  • IPOの準備やマネジメントの経験、海外会計基準の知識など経験がある場合は、積極的にアピールしよう

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